ブラックバイトなどが急増していることもあり、ここ数年退職代行サービスが話題を呼んでいます。

シフトが厳しくて辞めたいけれど辞めさせてくれない

パワハラが酷くてこれ以上勤めるのは精神的に無理
という人たちの目には「即日辞められる」と謳った退職代行サービスは究極の非常口と映ることでしょう。
その一方で、

退職代行を使うと嫌がらせを受けないか
と心配する人も多いようです。
退職代行を使って突然出社しないということになると、職場に少なからず迷惑をかけることになるのは必至です。
しかし、嫌がらせをされることなどあるのでしょうか。
実例を含めて調べてみました。
退職代行を使った後に嫌がらせをされる可能性
退職代行サービスを使わなくても、退職を希望する人に嫌がらせをする退職ハラスメントが横行しているのは事実のようです。
上司が自身の評価が下がるのを気にして強引な引き留めをする、希望の退職日に退職させてくれないなどの嫌がらせが多いといいます。
そのために退職代行サービスがあるのですが、そのサービスを使ってもやはり嫌がらせはあるといいます。
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離職票を送ってくれない
最も多いトラブルが離職票を送ってくれないということです。
退職したのは良いけれど、離職票がなければ失業保険も貰えません。
離職票は失業保険の手続きにハローワークに行けば必ず必要となるものです。
会社側は必ずしも退職者全員に離職票を送る義務はないのですが、求められれば送らなければなりません。
理由なく離職票の交付を拒んだ場合は雇用保険法で6ヶ月以上の懲役または30万円以下の罰金が課せられるということになっているので、交付しないというわけにはいかないはずです。
万が一嫌がらせで離職票が発行されない場合はハローワークに伝えれば、会社に催促や調査をしてもらえます。
また、離職票がない場合でもハローワークで「仮手続き」をしてもらえますので、一度ハローワークに相談してみると良いですね。
源泉徴収票が送られてこない
退職した後に源泉徴収票が送られてこないといった嫌がらせもあるようです。
源泉徴収票は年末調整で使う書類ですので、再就職した場合でも自分で確定申告をする場合でも必要となります。
会社が源泉徴収票を発行するのは所得税法で定められていて、違反すると1年以下の懲役、または50万円以下の罰金を課せられることになっています。
そのため嫌がらせで発行しないということはあり得ませんが、ぐずぐずしていてなかなか発行してもらえないということがあります。
そんな時は、税務署で「源泉徴収票不交付の届出書」の手続きをするという方法があります。
税務署から会社へ源泉徴収票の催促や調査が入りますので、会社としては源泉徴収票を発行しないわけにはいかなくなるのです。
退職代行を使ったと噂される
会社内で「退職代行を使った」と噂されることもあるようです。
どうせ辞めた会社ですので、何を言われようと関係はないのですが、問題は再就職しようとした際に影響する可能性があるということです。
会社の中には前職の会社に素行を問うため電話してくることがあります。
そんな時に退職代行を使って突然に退職した社員をよく思わない上司が電話口に出たらどうなるでしょうか。
「あの人はよく働いてくれました」とはお世辞にも言わないでしょう。
実際、退職代行を使って即日退職できたのは良かったけれど、その後の就職活動がどうもうまくいかないとこぼしている人がいます。
何社面接を受けても不採用になってしまうので、ある日思い切ってその理由を聞いてみたところ、

退職代行を使ったり、弁護士を使って退職するようなトラブルメーカーはちょっとね・・・
と口を濁していたといいます。
「退職代行を使って辞めた」という社内の噂が次の再就職にまで影響する事例です。
とは言っても、退職代行を使った嫌がらせはほとんど解決できるものばかりです。
精神的に限界を感じたら悩んでいないで退職代行を使うほうが良いかもしれませんね。
退職代行を利用するのに罪悪感を感じてしまう…という方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
退職代行つかって罪悪感を感じてしまうのはこんな性格の人!
会社を辞めたいけれどなかなか言い出せない、という人にとって退職代行サービスは頼もしい存在といえます。ブラック企業に勤めて身も心もすり減らして働く人にとって、退職代行は格好の逃げ道となるのでしょう。依頼すれば、即日退職も可能だと謳う退職代行に
退職代行を選ぶときの注意点
退職代行を使うからにはトラブルのない円満退職をしたいものです。
それにはしっかりとした退職代行サービスを選ぶ必要があります。
退職代行の費用は相場から考えて3万円から5万円というところでしょう。
それ以上に高額だと退職してから金銭的な負担が残ります。
反対にあまりにも安いとサポート面で不安です。
運営はしっかりとした労働組合か弁護士が運営する退職代行サービスが安心して任せられます。
弁護士資格を持たない一般業者だと会社に退職を伝えるのみで交渉ができません。
最悪の場合、非弁行為(弁護士法違反)で退職に失敗してしまうこともあります。
一般業者を選ぶ場合にも非弁行為を行わない業者を選ぶことが大切です。
退職までどの程度サポートしてくれるのか、サポート体制の充実した退職代行を選ぶのも重要なポイントとなります。
退職代行は正社員だけでなく、アルバイトの方も利用できます。
詳しくは、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
退職代行ってバイトでも使える?おすすめ業者は?注意点は?
うっかりバイトに入ってみたらブラックバイトだったという経験はありませんか?仕事は忙しいし、就業時間が過ぎても帰れない、都合で休みたくても休ませてもらえない。「もうこんなバイト嫌だ」と思っても、なかなか辞めることを切り出せないことがありますね
会社側は退職代行への対応をどうする?
退職代行サービスを社員に利用されたら、会社側としてはその退職代行の適法性を検討する必要がありますが、もし違法な退職代行サービスであっても社員は退職したいと強い要望を持っていることは確かです。
退職代行から連絡があった場合にはまず本当に本人からの依頼なのかを委任状などで確認します。
次に雇用契約を確認し、適切な退職日を決定します。
本人に連絡するわけにはいかないので、会社側は回答書を作成し、退職代行に対応した旨を証拠として残しておきます。
退職代行が弁護士であった場合は退職金や有給休暇などの交渉に応じます。
あとは貸し出している備品や健康保険証、社員証、制服などの返却依頼をし、退職に向けた準備をしていきます。
会社側は、「本人の口からでないと退職は認めない」「懲戒解雇する」などの脅しとも取れる行為は決してやってはいけない、間違った対応となることを自覚することです。
退職代行でやめたら嫌がらせされたりする?実際あった例と可能性を紹介!のまとめ
いかがでしたでしょうか?
安易に退職代行を選択すると、労力とお金を使うだけになるのでしっかりと考えてから利用する必要はありますが、有効な場合が多いのも事実。
自分に合った退職代行を選び、互いに後にしこりを残さない円満退職となるようにしたいものです。
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