合格祈願で有名な学問の神・湯島天神。
受験の時には学業成就鉛筆をいただいた人もいることでしょう。
「困った時の神頼み」ではないですが、将来を左右するような大切な試験の前には湯島天神で合格祈願をしたくなるのは人情ですね。
そんな「学問の神」として江戸の昔から親しまれている「湯島天神」ですが、「湯島天満宮」ともいいます。
「湯島天神」と「湯島天満宮」。
どちらの名称が正しいのでしょうか?
また、その違いは何なのでしょう?
わかっているようでわからない、湯島天神と湯島天満宮との違いを調べてみました。
湯島天神と湯島天満宮は同じ神社?
湯島天神のホームページを見てみました。
すると、
「当宮は江戸時代から『湯島天満宮』『湯島天神』と呼ばれていました。
『湯島神社』は明治維新からの当宮の名称でしたが、平成12年4月に正式名称を『湯島天満宮』に改めました。
『湯島天神』は通称になります」
湯島天神ホームページより引用
と、ありました。
また、
「『湯島神社』の名称は明治から平成12年3月までの当宮の正式名称です」
湯島天神ホームページより引用
とも書いてありました。
「湯島天神」と「湯島天満宮」は同じ神社ですが、正式名称は「湯島天満宮」でした。
親しみのある「湯島天神」は通称だったのですね。
「湯島天神」はいわゆる「あだ名」だとわかりました。
そして、平成12年3月30日までは「湯島神社」が正式名称だったのです。
「湯島天神」とばかり思っていた神社は「湯島神社」から「湯島天満宮」に名称を変更していたのですね。
それもつい最近のことでした。
天神と天満宮の違いは?
湯島天神と湯島天満宮の関係はわかりました。
それでは天神と天満宮の違いはなんでしょうか?
湯島天神とは離れてしまいますが、ここでは天神と天満宮について調べてみましょう。
天神とは
『天神(てんじん、あまつかみ)は神や地名などを指す』とウィキペディアに記してありました。
また、天神とは皇室や古代の有力豪族の祖先とされる神々の意味もあります。
さらに菅原道真の神号天満大自在天神の略称、あるいはそれを祀る神社の通称となります。
天満宮とは
天満宮は、菅原道真を祭神とする神社のことであるとしています。
天満宮は天神、天神さまとも呼ばれ、親しまれています。
祭神の生前の名前から菅原神社と呼ぶところもあり、天神を祀ることから天神社と呼ぶところもありますが、菅原道真を祭神とする天満宮であることに変わりはありません。
簡単に言えば、天神とは天に住んで仏法を守護するとされる神々のこと、または菅原道真の神号です。
天満宮とは菅原道真を祀っている神社のことを指します。
菅原道真が天神さまとなったわけとは?
菅原道真は、平安時代の貴族で、学者・政治家として活躍しました。
忠臣として名高い道真は宇多天皇に重用され寛平の治を支えた1人で、醍醐朝では右大臣にまで上り詰めます。
しかし、左大臣 藤原時平の政略により、身に覚えのない罪を着せられ太宰府に突然に左遷されられます。
京都を離れる際の失意のなかで詠んだ和歌が有名ですね。
あるじなしとて 春な忘れそ
主人の私がいないからといって春を忘れてはならないぞ)
ともに育った紅梅殿の梅に向けて和歌を詠んだところ、その梅が太宰府に着いた菅原道真のもとへ一夜のうちに飛来したという伝説があります。
太宰府に左遷させられた菅原道真は衣食もままならいほど列悪な環境に置かれ、身の潔白も証明できないままに2年後に無念の死を迎えます。
菅原道真が没して5年後、政略に加担した道真の弟子・藤原菅根(ふじわらのすがね)が雷に打たれて落命します。
それをきっかけに菅原道真をおとしめた藤原時平が病死するなど、藤原時平の関係者が次々と死去し、さらに洪水、干ばつなどの異変が続きました。
朝廷は、これらの事柄を菅原道真の祟りだと恐れるようになったのです。
こうして死後の菅原道真は怨霊として恐れられ、怨霊を鎮めるために京都に北野天満宮を創建します。
そして、菅原道真を天満天神として祀るようになりました。
その後、菅原道真を天満天神として祀る神社は全国各地に建立されます。
天満宮に祀られたことで祟りは鎮まり、幼少期より和歌や漢歌の才能に秀でていた菅原道真は「学問の神」として信仰されるようになったのです。
湯島天神の神紋とは?
菅原道真を祀っている湯島天神の神紋は『加賀梅鉢紋』です。
神紋というのは、日本の神社にある独自の装飾的な紋章のことです。
梅をこよなく愛した菅原道真が太宰府へ赴く時に
「東風吹かば・・・」
と詠めば、その梅は菅原道真公を慕って一夜のうちに京都から太宰府へ飛んで行ったといいます。
また、菅原道真公がわずか5歳の時に詠んだ和歌にも愛する梅の花が登場します。
うつくしや 紅の色なる梅の花 あこが顔にもつけたくぞある
この和歌をたった5歳の時に詠んだとはさすがに学問の神様だけのことはありますが、このように菅原道真といえば天神様。
天神様といえば梅の花ということになります。
ちなみに福岡県の太宰府天満宮の神紋は『梅紋』となっています。
京都にある北野天満宮は『星梅鉢』を神紋としています。
形はそれぞれ違いますが、菅原道真公を祀った天満宮は全国各地すべて梅の花を神紋としています。
湯島天神 と湯島天満宮の違いってなに?同じ神社?神紋は?のまとめ
湯島天神と湯島天満宮は、同じ神社のことだとわかりました。
平成12年3月30日までは「湯島神社」が正式名称だったのです。
「湯島天神」とばかり思っていた神社は、実は「湯島神社」から「湯島天満宮」に名称を変更していました。
天神とは天に住んで仏法を守護するとされる神々のことまたは菅原道真の神号で、天満宮とは菅原道真を祀っている神社のことでした。
湯島天神の神紋は『加賀梅鉢紋』でしたね。
歴史を紐解けば、梅に託した悲しい菅原道真の生涯が思われますが、現在は「学問の神様」として信仰されています。
いにしえに思いを馳せながら湯島天神を散策してみるのも良いですね。
湯島天神のお守りの返納について気になる方は、湯島天神のお守りは返納したほうがいい?お礼参りの時期や遠方の場合は? 記事を参考にしてみてください!
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