瀬戸内海に浮かぶ大久野島は、美しい景色とうさぎで広島県の有数な観光スポットです。
現在600羽以上はいるといわれる数多くのうさぎたちに癒される観光客は、国内・海外を問わず数多くいます。
いつしか「うさぎの島」と呼ばれ、愛らしいうさぎに心を奪われる人は年々増えているようです。
しかし、大久野島が「うさぎの島」となったのはつい最近のことなのです。
昔の大久野島は恐ろしい「毒ガスの島」でした。
毒ガスによって命を奪われた人も多数存在し、今でもその魂がさまよっているといわれています。
心霊スポットでもある大久野島を探ってみました。
大久野島の毒ガスの心霊廃墟とは?
国民休暇村があり、キャンプ場もある大久野島は広島県のリゾート地としても有名です。
夏には海水浴を楽しむこともできる大久野島は瀬戸内海の楽園となっています。
休暇村で瀬戸内グルメを楽しむのも良し、貸し自転車で島内をぐるっと一周するのも良し、時間を忘れてのんびりと過ごすにはもってこいの場所となります。
うさぎがもれなくついてくるのも楽しいですね。
エサをねだってやってくるうさぎたちの可愛い姿に思わずにっこりしてしまいます。
しかし、一歩踏み込むとそこには不気味な廃墟が点在しています。
例えば発電所の跡。
毒ガス製造工場に電力を供給していた火力発電所でした。
今ではすっかり朽ち果てて、巨大な廃墟となっています。
また、島内には毒ガス貯蔵庫跡も点在しています。
大久野島では1929年から第二次世界大戦の末期となる1945年ごろまでに最大で年間1,200トン、合計で6,600トンもの毒ガスを製造していたのです。
世界大戦での使用を目的としての毒ガス製造でしたが、大久野島はその重大な国家機密を秘匿するために地図から消されてしまったという過去をもっています。
大久野島の毒ガス製造所で働く人々
毒ガス資料館は撮影禁止。ショッキングな写真もあるけど、もっとオープンにするべき。 pic.twitter.com/tNfOfMcJvV
— 艦蔵 (@kankura_jw) July 15, 2019
1927年に毒ガス製造所が建設されるのに伴い、工員募集が行われました。
毒ガス製造所であることは伏せられ、「皇軍兵器製造技術者」という名目で募集をかけたため、6,000人以上の希望者が殺到しました。
毒ガス製造には陸軍の技術者や軍属、戦争後期には徴用工や学徒動員なども従事し、男女合わせてのべ人数で6,500人もの人々が働いていたといいます。
しかし、工場での労働は劣悪を極めました。
工員は防毒マスクや防毒スーツを着て作業をしたのですが、当時の防毒マスクは完全に毒ガスを防ぐことができず、隙間から侵入した毒ガスによって肺炎や気管支炎、皮膚病などを患う工員が続出ました。
中には毒ガスについての知識がまったくない人もいて、勤労奉仕の女学生たちは制服にハチマキ、麦わら帽子の姿で作業服も着ないでゴム手袋だけで作業していたという記録もあります。
毒ガス製造過程での人身事故も多発し、命を落とした人も数多いといいます。
犠牲者は後遺症で亡くなった人を含めると3,000人以上とも言われています。
1945年、終戦を迎えたことで毒ガス製造工場は稼働を停止しましたが、毒ガス製造に携わっていた人々はその後遺症に苦しめられることになります。
そのため、当時大久野島は「大苦の島」とも言われました。
大久野島の廃墟には亡くなった人の魂がさまよっている?
毒ガス貯蔵庫。大久野島は旧日本軍の毒ガス製造所がありました。 pic.twitter.com/9bAqnJgWe0
— クロネコヨシキ (@kuronekoyoshiki) August 11, 2013
大久野島にはいまだに亡くなった人の魂がさまよっているといいます。
戦争の爪痕が残る廃墟を撮影すると心霊写真が撮れる確率が高いという噂が広がっています。
また、白い服を着た霊を見たという話もあります。
大久野島の廃墟を歩いていると、誰もいないのに足音が聞こえたり、子供の鳴き声が聞こえるという人もいます。
夜になると毒ガスの製造過程で亡くなった兵士の幽霊を見たという目撃談もあります。
防毒マスクをつけた作業員の姿を目撃した人もいるようです。
自分が死んだという自覚もなく、幽霊となってさまよっている霊もいるといわれています。
毒ガス製造工場だということを知らずに毒ガス製造に携わり、無念な死を遂げた犠牲者の魂がさまよっているとしても不思議ではありません。
大久野島は廃墟と心霊のスポットでもある
現在大久野島は「うさぎの島」として数多くのうさぎを目当てに訪れる観光客が多いのですが、廃墟と心霊のスポットとしても人気があります。
大きな発電所跡や毒ガス貯蔵庫跡はいかにも心霊スポットらしき佇まいで不気味な感じさえ受けますが、それがインスタ映えして良いということです。
廃墟の前に佇むと夏でもそこだけひんやりとした風が吹くという噂があります。
そんな時にカメラを向けると心霊写真が写るというのです。
怖いもの見たさに自分も心霊写真を撮ろうとする人もチラホラいるとか。
また、廃墟好きの人にも大久野島は人気です。
ですが、廃墟には立ち入り禁止の区域があるので注意が必要です。
立ち入り禁止の理由は建物が老朽化して危険だというほかに、いまだに土壌汚染されている場所があるからなのです。
戦後、毒ガスは埋没、海中投棄、焼却などの方法で処分されましたが、それでもいまだに残留化学物質がある可能性があるというのです。
肝試しのつもりでも立ち入り禁止の場所に入らないほうが良いですね。
大久野島は毒ガスのせいで心霊現象が起こるようになった?のまとめ
戦時中に毒ガスを作っていたことから、いまのうさぎ島のイメージとは全然違う歴史があったことがわかりましたね。
少なからず苦しんで亡くなった方たちがいるので、あまり悪ふざけするのはやめたほうが良さそうです。
いまのうさぎのイメージで楽しく旅行して、当時の人の霊をなぐさめてあげてくださいね。
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