母の日に似合う花といえば、やはりカーネーションですね。
特に赤いカーネーションは母への贈り物として最も多く使われます。
カーネーションのカラーバリエーションは豊富で、その花びらの色だけ花言葉がありますが、カーネーション全体の花言葉は「無垢で深い愛」となっています。
やはり「母の愛」を感じる花言葉です。
そんなカーネーションの和名や別名はあるのでしょうか。
また、日本に伝わるまでのカーネーションの知られざる歴史とはどんなものがあるのでしょう。
カーネーションの和名にちなんだ物語をご紹介します。
カーネーションの和名
カーネーションには日本独特の和名があります。
漢字で書くと『和蘭石竹』となります。
なんと読むのか悩みますね。
自然にすらすらと読める人はいないのではないでしょうか。
これは「オランダセキチク」と読みます。
「オランダ」はオランダ人の手によって日本にもたらされたからでしょう。
しかし、「セキチク」とはどんな意味があるのでしょうか。
「セキチク」は中国原産のナデシコ科の多年草です。
カーネーションもナデシコ科であるため、セキチクとよく似ているということから「和蘭石竹」と名付けられました。
この和名は昭和初期まで使われたという記録があり、「オランダセキチク」を略して「セキチク」と呼ばれていました。
カーネーションには別名もある?
カーネーションにはこの「和蘭石竹」だけではなく、他にも和名があります。
『和蘭撫子』や『麝香撫子』とも呼ばれています。
読み方は「オランダナデシコ」「ジャコウナデシコ」と読みます。
「和蘭」は先ほどの「オランダセキチク」と同じく、オランダから伝来した花という意味でつけられたのしょう。
「撫子」はカーネションがナデシコ科の花であるためです。
問題は「麝香」ですが、「ジャコウ」とはジャコウジカやジャコウネコから採取される香料のことです。
カーネーションは「クローブ・ピンク」とも呼ばれ、ワインの風味や香り漬けに使われたハーブの一種でもあるのです。
そんな特殊な甘い香りを放つナデシコとして、「麝香撫子」という和名がついたのでしょう。
日本に渡った初期にはオランダ語の「アンジャベル」または「アンジャ」と呼ばれた時期もありました。
カーネーションが日本に来るまで
カーネーションの歴史は古く、古代ギリシャ時代に旧ソ連のコーカサス地方で生まれたとされています。
古代ギリシャ時代にはすでに栽培が行われていたカーネーションですが、改良が始まったのは16世紀のイギリスで、最初は白や赤などの品種から作られました。
17世紀にはさまざまな色のカーネーションが開発され、花の形も大輪のものや八重咲のものなどが作られるようになりました。
その後、カーネーションはフランスやアメリカに渡り、さらに品種改良されていきました。
そんななか、江戸時代初期にカーネーションは当時貿易が盛んだったオランダから日本に持ち込まれたのです。
遠く、海の彼方からオランダ船に乗って日本にやってきたカーネーションは和名をつけられるほど日本でも愛されていきました。
カーネーションの花名の由来
カーネーションには和名がいろいろあることが分かりましたが、そもそもカーネーションという花名はどうしてついたのでしょうか。
これには諸説ありますが、カーネーションの赤い色が肉色に似ているというところから、ラテン語で肉の色を表す「カルニス」からカーネーションになったという説があります。
また、イギリスではカーネーションを冠を作る花として利用していたことから、「戴冠式」を意味する「コロネーション」からカーネーションになったという説もあります。
カーネーションが「母の愛」を花言葉にもついわれとは
キリスト教では、イエスが処刑される時、十字架を背負ってゴルゴダの丘へ向かう途中、聖母マリアが落とした涙が地面に落ちてカーネーションの花になったという言い伝えがあります。
このため、キリスト教ではカーネーションを「母の愛」や「無垢の愛」のシンボルとしています。
レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「聖母子」でも、聖母マリアがカーネーションを手にしています。
一方、カーネーションはローマ神話にも登場します。
美しい娘、ソニクスはカーネーションの冠を作り、太陽神アポロンの祭壇にいつも飾っていました。
しかし、ある晩、ソニクスを妬んだものたちに殺されてしまいます。
太陽神アポロンはソニクスの死を嘆き悲しみ、ソニクスをカーネーションに変えて手厚く弔ったといいます。
カーネーションにはこのように、悲しいまでの「無垢で深い愛」を表した言い伝えがあります。
それがそのままカーネーションの花言葉に込められているのでしょう。
20世紀になってからは、アメリカのアンナ・ジャービスが活動家だった亡き母の追悼会に母の好きだった白いカーネーションを参加者に配ったことが「母の日」の起源となりました。
カーネーションにはこうしたどの言い伝えにも「無垢の愛」や「母の愛」が感じられます。
代償を求めない「無償の愛」こそがカーネーションに込められたものなのです。
そんなカーネーションは世界中の人々に愛されて、それぞれの国の名前がつけられています。
日本独特の和名がつけられていることからも、カーネーションが人々に愛されていることが分かりますね。
カーネーションの和名・漢字は?別名や由来についても詳しく!のまとめ
カーネーションの和名は和蘭石竹(オランダセキチク)でしたね。
難しい漢字ではないですが、覚えようと思うとちょっとややこしいかもしれません。
また、別名もありました。
由来などは、上の記事を見返してみてくださいね。
カーネーションを贈ろうと思うけど、色とか花言葉とかが気になる…という方は、以下の記事を参考にしてみてください。
カーネーションを贈るときにダメな色とかある?花言葉もご紹介!
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