岩手県一関市の「厳美渓」は栗駒山から流れる磐井川が巨岩を浸食したことで形成された岩手県の景勝地です。
エメラルドグリーンの水流と大小のさまざまな奇岩とのコントラストが荒々しくも美しい渓谷を作り出しています。
平泉からもほど近い厳美渓は戦国大名の伊達政宗も愛した絶景で、近代では明治天皇も立ち寄るほどの岩手県自慢の名勝です。
そんな厳美渓の名物には、景勝地にも負けず劣らずの美味しい団子が観光客の口を楽しませています。
絶景を見た後で食べる団子はまた格別。
なぜ、この地域の名物が団子になったのかはさておいて、厳美渓の名物の『団子』を掘り下げてみました。
厳美渓の団子は空飛ぶかっこうだんごだけじゃない!
厳美渓の名物の「団子」は空飛ぶ団子が有名ですが、何も空飛ぶ団子だけが名物ではありません。
(空飛ぶ団子については『厳美渓のかっこうだんごってなに?買い方や由来についても調査!』記事を見てくださいね)
厳美渓の一帯が団子の里のごとく、それぞれに趣向を凝らした名物団子があるのです。
空飛ぶ団子は郭公屋さんの団子ですが、他にも団子屋さんがあります。
厳美渓の名物が団子となったのは、この辺りが五串(いつくし)村と呼ばれていることに由来します。
空飛ぶ団子で有名なかっこうだんごもそうですが、この地の団子は五串村の地名に由来し、1本につき5つの団子を串に刺して売られています。
また、形状はよく見られるような球状の団子ではなく、棒状に伸ばした生地を糸で切る「糸切り団子」のため、表面は真っ平らの団子です。
一関では団子といえばこの形が団子と昔から決まっているようです。
そのため、形は「空飛ぶ団子」の「かっこうだんご」も、そのほかの団子も同じです。
ですが、団子屋さんによって特色を生かした団子が売られています。
いつくしだんごってどんな団子?
美味しくいただきました🍡#いつくしだんご pic.twitter.com/wx5UvaK7Ge
— けんぼー (@y8_yoko25) May 3, 2022
「いつくしだんご」は厳美渓のレストハウスの姉妹店の「いつくしだんごの館」で製造・販売されています。
いつくしだんごは餅米や団子粉を使わず、うるち米を原料とした全国でも珍しい団子です。
柔らかくふっくらとしたお餅のような食感がお口を楽しませてくれます。
普段ご飯として食べるうるち米を原料としているので、お餅と比べて消化が良いのが特徴です。
厳美渓の景色を楽しんだあとにこの「いつくしだんご」を頬張ると疲れもどこかに飛んでいくこと請け合いです。
いつくしだんごは全部で5種類
いつくしだんごの種類は全部で5種類あります。
「あんこ」「ごま」「しょうゆ」「くるみ」「ずんだ」の5つで、お店でゆっくり食べることができます。
「しょうゆ」は醤油をただかけたものではなく、「みたらし」の味です。
・3本セット 500円
・6本セット 980円
いつくしだんごの基本情報
営業日 : 4月〜11月は無休/12月〜3月毎週水曜日
営業時間 : 9:30〜16:30
住所 : 一関市厳美町字鴻ノ巣132
電話 : 0191-29-2033(いつくしだんごの館)
滝見だんごは惜しまれながら閉店
一関市の厳美渓にある『滝見だんご』さんが、12月27日をもって閉店するそうだ…ショックが大きい…悲しすぎる pic.twitter.com/dQGLnE1Zv4
— anecco. (@iwate_anecco) December 10, 2020
実は厳美渓にはもう1店老舗の団子屋さんがありました。
創業37年の滝見だんごは材料にこだわり、契約農家で特別に栽培してもらったササニシキだけを使い、団子粉や餅米など他の材料は一切使わずに団子の味わいを出してきたといいます。
「いそべ」「くるみ」「あん」「ずんだ」「ごま」の5種類で、店内のカウンター越しにある調理場で細長い棒状にした生地を店員が首から下げた糸で手際よく切っていく作業風景も名物の一つでした。
滝見だんごは地元の客ばかりではなく、遠く県外からも買い求める客の姿がありました。
その名物だんごの「滝見だんご」は店主が高齢になったため、継続が難しくなり2020年12月31日で惜しまれながら暖簾を下ろすことになりました。
観光客からも閉店を惜しむ声が続出しています。
厳美渓にはアイスだんごもある?
一関市☆厳美渓
こちらが、いつくしだんごさん!(^^)!アイスだんごっていうのも気になります(^^♪#一関市 #厳美渓 #おだんご pic.twitter.com/3nyqTmvAen
— きまぐれ☆まー🎀蝶結び🎵🎀 (@buchiko815) April 26, 2017
団子が空を飛ぶ厳美渓には『アイスだんご』なるものもあります。
さすがに団子を名物とする厳美渓ですね。
決して他の地方ではお目にかかれないアイスだんご・・・・。
どんなものなのでしょう。
甘党としてはそそられますね。
興味津々で調べてみました。
アイスだんごは、「いつくしだんごの館」で食べることができます。
あんこの中に団子が入っていて、その上にアイスクリームが乗っています。
さらに抹茶ソース、小豆、細かくカットされた栗が乗っているスイーツです。
一見すると白玉あんみつのような感じですが、うるち米100%の団子が入っているので、白玉よりもしっかりとお腹に溜まりそうです。
念のために実際にアイスだんごを食べた人の口コミを見てみると、
「うるち米で作った団子がお餅のような柔らかさでたまらない食感」
「お餅よりも消化がよく食べやすい。何個でも食べられそう」
「あんこの甘さは甘すぎずちょうど良い甘さ」
と、大絶賛でした。
思ったよりも軽く食べられそうです。
値段も450円とお手軽な値段です。
ただし、2019年の情報ですから現在は値上がりしているかもしれませんので、ご自身でも調べてみてくださいね。
厳美渓の団子は空飛ぶかっこうだんごだけじゃない?全種類を調査!のまとめ
「空飛ぶかっこうだんご」「いつくしだんご」、どれをとっても美味しそうな団子ばかりの厳美渓。
「アイスだんご」まであって、甘党にはたまらない観光地ですね。
ともすると、天然記念物の厳美渓はそっちのけで団子三昧になりそうです。
あっちの団子、こっちの団子と食べ比べてみたいものですが、雄大な厳美渓の景色を堪能するのも忘れないようにしたいですね。
悠久の時が刻んだ奇岩と栗駒山の温泉が育てたエメラルドグリーンの水流が見事に美しさのハーモニーを奏でる厳美渓は、一生に一度は見ておきたい素晴らしい景色です。
名物の団子を味わいながら厳美渓をゆっくり散策したいですね。
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